映画 ヘレディタリー 継承 感想 ダイスで決める人生

作品概要

ヘレディタリー 継承
原題:Hereditary
日本公開:2018年11月30日
上映時間:127分

あらすじ

受け継いだら死ぬ 祖母が遺した“何か”とは?グラハム家の祖母・エレンが亡くなった。娘のアニーは夫・スティーブン、高校生の息子・ピーター、そして人付き合いが苦手な娘・チャーリーと共に家族を亡くした哀しみを乗り越えようとする。自分たちがエレンから忌まわしい“何か”を受け継いでいたことに気づかぬまま・・・。やがて奇妙な出来事がグラハム家に頻発。不思議な光が部屋を走る、誰かの話し声がする、暗闇に誰かの気配がする・・・。祖母に溺愛されていたチャーリーは、彼女が遺した“何か”を感じているのか、不気味な表情で虚空を見つめ、次第に異常な行動を取り始める。まるで狂ったかのように・・・。そして最悪な出来事が起こり、一家は修復不能なまでに崩壊。そして想像を絶する恐怖が一家を襲う。“受け継いだら死ぬ” 祖母が家族に遺したものは一体何なのか?
引用:Amazon

こんな人にオススメ!

精神的に重いホラーが見たい人!
新しい形のホラーが見たい人!
ミッドサマー監督作品が見たい人!

ネタバレあり感想

面白い!!2度目の視聴でしたが、何度見ても怖い!そして目を背けたくなる演出の数々が素晴らしい!

直接驚かすような演出はほぼなく、気づいたらそこに居る感じのホラー演出と精神的に抉っていく演出でこの映画を怖く仕上げています。

そんなこの映画の俳優陣はみんな演技派です!息子のピーターはジュマンジの現実世界の主役を務めています。
両親役はガブリエル・バーンやトニ・コレット等、昔から映画に出演しているベテラン揃いでこの映画を恐ろしく、そして面白くさせてくれています。

妹のチャーリー役のミリー・シャピロはこの映画では不気味な雰囲気の女の子になっていますが、オフショットの姿を見ると普通に可愛らしい女の子です!

想像できなかったホラー演出!

叔母の幽霊が見えたり、部屋の中で謎の光の波動を見たりしていた妹のチャーリー。憑りつかれたチャーリーを救うお話なのかなと思いきや、開始30分で死亡!!しかも原因がピーターの運転!

そうなるように誘い込まれた感じでしたが、チャーリーが車の窓から首を出し電柱に当たって首が千切れるエグさ。ピーターがバックミラーを中々見れず動揺し続ける姿はきつい時間でした。

多くは語らず事故の後に家に帰る描写や、泣き叫ぶ母親と佇むピーター。母親がチャーリーの死の原因になった息子に怒鳴り散らす等の精神的に抉る演出が多く見ていて辛くなっていきます。

そして降霊術を信用していく流れもしょうがないって思ってしまうのもつらいポイントでした。この映画は辛い描写がリアルです。

全てが張り巡らされた伏線!

叔母の死。葬式後一瞬間も経たずに墓が掘り返され遺体が消えてしまう。

精神的に参ってしまっているアニーはジョーンの降霊会に誘われて信用してしまう。降霊術は周りからは信用されないが、確かに何かを感じるアニーは家族の前で試すが止められてしまう。もう一度ジョーンに話を聞きに行くと見覚えのある足元のマット、家に戻りファイルを覗くと叔母と一緒に写っているジョーン。

そして悪魔王ペイモン降霊の儀式の本。天井裏の梯子を降ろすとハエが大量に出てくる。奥には首の無い死体があり、壁には儀式の文字が書かれていた。

学校ではジョーンが遠巻きにピーターに向かってザンタニー、ダグニー、パラゴン、ピーター。身体から出行け!と叫ぶ、するとピーターの目が光る。

授業を受けるピーター、コッっという音、それはピーターが発していたものだった。身体がねじ曲がり顔が硬直する。幻覚だったが幻覚とは思えない。

家では天井裏の遺体をスティーブに見せ死体を確認してもらうと、今度は手帳を燃やそうと暖炉に投げる、するとスティーブが燃え上がる。

ピーターが目覚めると壁には何者かが張り付いている。
そちら側を見ようとすると、それは宙を泳いでドアの方に消えていく。

天井に入りついてる者は母親アニーだった。それとは別に家の中に笑いながら佇む何者かがいる。そして走って追いかけてくるアニー。
屋根裏に隠れるが、そこにも何者かが既に立っている。

全てが信じられなくなり、自分に目覚めろと言い聞かすが、効果は無く音が聞こえる。目を見開くと宙に浮いているアニー、それは自分に釘のようなものを突き刺し続ける。

他の者の存在に気づき慌てて窓から飛び降りる。黒い影が身体から飛び立ち、光が入っていく。起き上がるピーターは宙に浮くアニーを追って小屋に入っていく。

小屋に入ると首を垂れる人間達。
生首を嵌められた彫像、首の無いひれ伏した死体。壁に飾られている王妃リーの写真。王冠を被せられるピーター。

振り向くと死体がこちらに向いている。「大丈夫よ、あなたはペイモンになった」と告げられる。ペイモン万歳の合唱。END

すべての事象が悪魔ペイモンを降霊させるための儀式だった!
どこからどこまでが幻覚なのかよくわかりませんね。ジョーンが学校でピーターに叫んでたのは一応幻覚なのかな?周りが全くリアクションしていませんでしたね。周りも関係者なのか、それとも儀式が進んでいたからあの周辺が特殊な状況になってしまっていたのかな。

最後のシーンでピーターがリアクションを取る前に既に何者かが映っているのめっちゃ怖さありましたね。ペイモン降臨間近と言う事でニッコリスマイルなのも怖い。

この映画はあの時ああしていればなんとかなったとかが全く無く、特に非も無く、ただただ叔母のペイモン崇拝の儀式に巻き込まれると言う悲劇のストーリでした。ペイモン万歳の大合唱からのちょっとポップなエンディング曲が染みますね。

まとめ感想!

チャーリーのアリの集っていた生首はえげつなかったですね。
それと何かが乗り移ったアニーも動きが怖すぎました。
それ以外は心理的に辛い方のホラー描写が多い作品でした!めっちゃ面白かった!

この映画の後に公開されたミッドサマーなどを見てもアリ・アスター監督らしい独特の世界観があって凄い監督だなって思いました。
そんなアリ・アスター監督が次回作は4時間越えの悪夢のコメディを撮ると明言しているらしいですね。

コメディ?ほんとに?アリ・アスター監督的にはコメディだけど、他の人達的には純粋にホラーの可能性ってありますよねw。
どんな映画になってても楽しみです!

ヘレディタリー継承はとても面白いホラー映画でした!

監督・キャスト

監督
アリ・アスター
キャスト
アニー・グラハム:トニ・コレット
スティーブ・グラハム:ガブリエル・バーン
ピーター・グラハム:アレックス・ウルフ
チャーリー・グラハム:ミリー・シャピロ
ジョーン:アン・ダウド

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